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「…ごめん…こんな話…」
ふーっと、宮原さんは息をついた。
「俺には人を好きになる資格なんてないのかもしれない。でも、君に嫌われるのが怖かった」
嫌われるのが、怖い、その気持ちは、わかる。
でも
「宮原さんずるいです」
懺悔ならできる。
吐き出してしまえば、心は軽くなるから。
私は、宮原さんの手を握っていった。
「でもこのままじゃ、駄目ですよ。ちゃんと、奥さんと話し合って下さい。離婚しても、お父さんとお母さんとして、愛理ちゃんに、会いに行けるように」
紀ちゃんは、きっと乗り越えたんだ。
誰にも頼らずに。
だから、私が今の宮原さんを受け入れてしまったら。
宮原さんは一生、後悔し続ける。
それじゃ駄目なんだ。
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