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「両親のおかげで、奨学金でも使えば生活費と大学行かせてあげられるくらいの遺産はあったんだけど、遺産に手をつけちゃったら、紀子が進学できなくなるし、医療費だけでも面倒見なきゃって必死でね」 知らなかった。 出会った頃、紀之がそんな大変なことを抱えていたなんて。 「働いて、働いて、里奈と別れてから更に働くようになって…」 紀ちゃんはさらりと言ったけれど、私はずきんと胸が痛んだ。 「アタシ倒れちゃったのよバカよね」
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