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「そうね…やっと物事が考えられるようになって…紀子の遺品を整理しだしたらね、知らなかったことを、たくさん発見したわ」
紀ちゃんの話は続いた。
こんなに辛いのに、紀ちゃんには、まだ話さなきゃならないことがあるのかと、私は胸がいっぱいだった。
「可愛い物が好きで、ファッションも化粧にも興味があって…よく考えたら当たり前な歳頃だったんだけど…何一つ、させてあげられなかったんだって気がついたわ」
紀ちゃんの涙はとまっていて。
私はなぜだか、いやな予感で一杯だった。
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