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ごめんね紀ちゃん。 苦しかったんだよねきっと。 辛かったんだよね。 紀ちゃんの懺悔。 もっと早く、聞いてあげられたら良かったのに。 私は自分のことばっかりだった。 今ならわかる。 あの日、私に一緒に住もうだなんて言ったのは、きっと紀ちゃんも、聞いて欲しかったんだよね。 でも、あのとき私は確かに救われた。 私の手を包む、紀ちゃんの綺麗な手に救われた。 今度は私の番。 私はゆっくり右手を挙げて、紀ちゃんの頬を 思いっきりひっぱたいた。
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