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帰りの車の中でも、紀ちゃんは黙ったままだった。 私が平手打ちした頬は、まだ赤くなっていて、不機嫌な表情も、崩れることはなかった。 間違ってると言った私に 紀ちゃんはアンタに何が分かるのよって叫んだ。 はじめて 紀ちゃんが怒鳴った。 はじめて 紀ちゃんの感情に触れた気がした。 そう、紀ちゃんのこと、私分からなかった。 でも、今は違う。
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