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紀ちゃんの綺麗な手を握って。 目を見て。 「紀ちゃんは紀ちゃんだよ。他の誰かでも、誰かのためでもない、ここにいるのは私の大切な紀ちゃんだよ。だから逃げないで…紀ちゃん自身から、逃げないで」 紀ちゃんは、崩れるように泣き出した。 私は、その大きな広い背中を抱きしめた。 大切な人。 そうだ。 私にとって、紀ちゃんは、誰にもかえられない大切な人。
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