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「言わないでおこうと思ったんんだけど、なんだか悪い気がするので言わせてもらうね」
突然そう前置きをして、ユウキ君は私を見つめた。
まっすぐな視線とぶつかって、私は思わず目をそらす。
「なに、どうしたの?改まって」
落とした先にあった紅茶のはいったカップを手に取り、口へ運んだ。
「僕の知り合いに弁護士がいて…」
弁護士。
てっきり自分に関係のある話だと思っていたから、その単語を聞いて安心した。
弁護士に関係するようなことは見に覚えがない。
「宮原さん、奥さんと正式に離婚が決まったそうです」
あぁ、ひとりだけいたんだった。
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