12

12/19
前へ
/317ページ
次へ
「里奈さんはママが好きだから別れたんだと思ってた」 予想外の言葉に、思わず顔を上げると、ユウキ君はメニューをひろげていた。 「ケーキ食べようかな、里奈さんはなんか食べる?」 突然敬語から、フランクな言葉使いになったユウキ君のペースに戸惑いつつ、私は首を振る。 ユウキ君は近くにいた店員に声をかけてケーキを頼むと、再び私を見ていった。 「里奈さんは宮原さんが好きなんだね」 悲しそうな。 残念なような。 諦めの色を浮かべて。
/317ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9818人が本棚に入れています
本棚に追加