12

13/19
前へ
/317ページ
次へ
私が…紀ちゃんのことを好き…? そんなこと…。 「里奈さんはママとつき合ってたんでしょ?ママの事は、もう好きじゃない?」 ユウキ君は、更に悲しそうに呟いた。 「そんな…とっくの昔に私たち別れてるし…それに今、紀ちゃんは女の人だよ」 私の言葉に、ユウキ君は意外そうな顔をした。 「じゃあ里奈さんはママが男に戻ったら好きになるわけ?女だからって、男を好きになるとは限らないよ。現に俺は、男が好きだし、カズは男とか女とか関係ないし」 言葉がでなかった。 「まぁ俺は男しか好きになれないけど…ママは…きっと今でも里奈さんが好きだよ」 ユウキ君は、当たり前の事だと言わんばかりにそう言った。 心臓が、どきどきした。 紀ちゃんは、私にとって、大切な人。
/317ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9818人が本棚に入れています
本棚に追加