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「皮肉なのかな。あんなに過去に捕らわれている人に出会って、何にもなかった自分の人生に未来ができた。本当に感謝しているし、幸せにならなきゃいけない人なんだ」 ユウキ君は、再び近くに来た店員さんを呼び止めてケーキを注文した。 そのペースのおかげで、重い話を聞いているのに、まるで世間話をしているような気分になる。 ユウキ君はわざとやっているのかもしれない。 「だから、いくら里奈さんでもママを悲しませたら、俺許さないよ」 笑顔で言い切ったユウキ君は、既に怒っているみたいだった。 やっぱり、怒りを隠すように、わざと何でもないように取り繕ってる。 なんだかその事に、ちょっとむっとして、私は強めに言い返した。 「私だって、紀ちゃんを悲しませたりしたくないよ」
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