9818人が本棚に入れています
本棚に追加
「皮肉なのかな。あんなに過去に捕らわれている人に出会って、何にもなかった自分の人生に未来ができた。本当に感謝しているし、幸せにならなきゃいけない人なんだ」
ユウキ君は、再び近くに来た店員さんを呼び止めてケーキを注文した。
そのペースのおかげで、重い話を聞いているのに、まるで世間話をしているような気分になる。
ユウキ君はわざとやっているのかもしれない。
「だから、いくら里奈さんでもママを悲しませたら、俺許さないよ」
笑顔で言い切ったユウキ君は、既に怒っているみたいだった。
やっぱり、怒りを隠すように、わざと何でもないように取り繕ってる。
なんだかその事に、ちょっとむっとして、私は強めに言い返した。
「私だって、紀ちゃんを悲しませたりしたくないよ」
最初のコメントを投稿しよう!