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それだけ言うと、ユウキ君は、逃げるように去っていった。
ユウキ君が見えなくなってしまってから、私ははっと思い出すようにカズ君を振り返った。
「お…追いかけー」
「いいんだよ。頭冷やせばいい」
「でも…なんか私の話で喧嘩みたいになってるし…」
私の方が、落ち着かない。
「大丈夫、仲直りは後で家できるよ。今は里奈の方が辛そうだ」
にっこり笑ってカズ君はユウキ君が走っていた方を眺めた。
「それに俺アイツのこと愛してるから大丈夫」
まるで当たり前のことを言うみたいに。
カズ君はさらりと言った。
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