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今まで生きてきて、愛してるだなんて、口に出して言ったことがあっただろうか。
トシとつきあっていた頃、何度か言われたことがあったけれど、私は頷いたり、私もって呟くことしかできなかった。
紀之は…言ってくれたこと無かった気がする。
紀之と付き合っていた頃は、まだ若かったし、そんな言葉を口にできるような歳でも無かったのかもしれないけど。
あの頃の私とかわらない歳のカズ君が、こんなに自然に愛してるって言う言葉を口にしているのが、なんだかとても羨ましかった。
「なに、俺の顔なんかついてる?」
いつの間にか、食い入るようにカズ君の横顔を見つめていたことに気がついて、私はあわてて首を振った。
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