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店員さんは、はっとしたように顔を上げると、どうぞごゆっくりとだけ言って、深々と頭を下げてた。 「ユウキの知り合い?」 カズ君が、その子が去ろうとする前に訪ねた。 「あ、失礼しました…私ユウキさんの専門学校時代の同期で天井といいます」 ホールにいるどの店員よりも小柄で線の細い彼女は、そう言って再び頭を下げた。 「あぁ天井さん!聞いてます。ここのパステリーのスーシェフなんですよね」 カズ君の言っている意味が半分も分からなかった。 「あ、はい。ありがとうございます!ユウキさんには、今回ケーキの製作を手伝って頂いたのでお礼を言いたかったんですが…」 「うん、ありがとう。伝えとくよ」 カズ君は、まるで自分のこと見たく嬉しそうに目を細めた。
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