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カズ君と別れて、私はまっすぐ、紀ちゃんのいるBARチョコレートへと向かって歩き出した。
まだ残る暑さが、首筋にまとわりついてくる。
じんわり汗が流れるのと一緒に、瞳から、ぽたぽたと涙がこぼれた。
悲しい訳じゃなかった。
なんとも言い難い感情がこみ上げて、流れる涙を止めることができなかった。
でも、自分のために泣くのは、きっとこれが最後。
そんな気がした。
紀ちゃんに対するこの気持ちは、恋じゃない。
でも、世界一愛してる。
この気持ちを、少しでも早く、伝えたかった。
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