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激しいキスに息継ぎのタイミングを失って、意識が遠のきそうになったその瞬間、紀ちゃんの唇が離れた。 2人で、果てた後みたいに肩で大きく息をしたまま、私はまだ紀ちゃんの腕の中にいた。 「紀ちゃん。結婚しよう」 息を整えて、私は紀ちゃんのおでこに優しくキスをした。 紀ちゃんは、頷きもしなかったけれど、首を横に振りもしなかった。 「結婚、しよう」 返事が返ってこないのを知りつつ、私は肯定するように呟いた。 恋じゃない。 でも、この人と生きていく愛がある。 甘えてばっかりだったけど、紀ちゃんを支えてあげられる方法はこれしか思いつかなかった。 これが理解されない気持ちなら、きっと私も、充分歪んでるよ紀ちゃん。
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