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「何バカなこと言ってんのよ里奈、26は十分若いって!」
純ちゃんが呆れたように言った。
「まだ25です!じゃあ純ちゃん今日は朝まで付き合ってくれる?」
私はちょっと拗ねて、わざと意地悪を言う。
「ごめんパス、失恋位どーってこと無いって!明日の昼ご飯くらいなら付き合うよーあ、旦那帰ってきたからまたね、元気だしな」
そう言って、一方的に純ちゃんは電話を切った。
携帯電話を閉じて、私は小さくため息をついた。
25歳。
でも、もうすぐ26歳。
久しぶりに自分の年を実感してしまう。
3年近く付き合って、結婚まで考えていたのに。
『一緒に行こう、結婚して』
そう言ってくれた彼。
でも、彼の転勤先のアメリカについて行く勇気がなかった私は、あっけなく失恋してしまった。
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