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側にいるだだけど、とても満ち足りて、幸せな気持ちだった。
夏が過ぎて、秋が終わって、気がついたら冬が始まりはじめた。
紀ちゃんは相変わらず、私に触れてくれない。
でも、時々
閉店後のカウンターで飲んでいるときだけ
「さわっても良いかしら?」
そう言って、うなづく私の手を優しく握った。
愛してるって言うまでは当たり前のように触れていた紀ちゃんのかわりようで、どれだけ愛する人たちを失ってきたのかと何度も胸が痛くなった事もある。
久々に、伝わってきた紀ちゃんの手の温もりを忘れないように、私は力ないその手をしっかり握りかえした。
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