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「いらっしゃいまー…」 言葉が、続かなかった。 宮原さんは、最後に会ったときの優しい笑顔のまま。 でも、瞳の優しさの中に潜めた悲しみの色は、もう消えていた。 カズ君が、思わずよろめいた私の腕をしっかりとつかんでくれた。 「大丈夫」 そう言って顔を上げると、カズ君は私を見てなかった。 その視線の先には、宮原さんと…紀ちゃん。 思わず駆け寄りそうになった私の腕を、カズ君は離してくれない。 支えてくれてるんじゃない。 抑えられているんだ。 カズ君の手の力が、少し強くなった。
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