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「どの面下げて、うちの店の敷居をまたいだのかしら?宮原さん」
笑顔とは裏腹に、紀ちゃんの声は冷たかった。
宮原さんがぱったり来なくなった理由をなんとなく分かっていたフロアのみんなも、静まり返った。
宮原さんは、面食らった顔をしたあと笑って言った。
「ごめんママ、俺じゃ里奈ちゃんを幸せに出来なかったんだ…でも…いい友人にはなれるんじゃないかと思って」
宮原さんが穏やかに笑った。
瞬間。
紀ちゃんの握り拳が、宮原さんの顔面に直撃した。
「紀ちゃん!」
「ママ…」
驚きで弱まった、カズ君の腕を振り払って私は入り口の床に座り込んだ宮原さんに駆け寄った。
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