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宮原さんと一緒に働く不安が消えてしまうくらい力強く抱き締めてくれたら、なんて考えるのは自分勝手だけれど。 今日はイブだから 少しだけ、欲張って。 私はベットの端で丸くなる紀ちゃんの背中にくっついた。 びくりと小さくはねた後、紀ちゃんは呆れたように笑った。 伝わってくる紀ちゃんの温もりと、少し緊張で強張った息が、規則正しい寝息にかわるまでずっとそのままくっついていた。 朝、目が覚めると、紀ちゃんの姿はもうなかったけれど、キッチンで朝食を作る紀ちゃんの笑顔に、いつもの困った色はなくなっていた。
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