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やっぱり、あまり長くここにいない方がいい。
私は、心の中で呟いた。
「で、里奈さんは宮原さんと付き合ってるんですか…?」
3杯目のビールを流し込んだ碧ちゃんが、少し酔いが回った瞳で言った。
羽柴さんが、はじまったと言いたげな顔でため息をつく。
お酒もすすんで、みんなが程よくばらけてきた頃だったにせよ、私は思わず宮原さんに視線を走らせる。
宮原さんには聞こえていないようだ。
なんと答えたらいいのか、言葉に詰まってしまった私の沈黙を、肯定だと思ったらしい碧ちゃんは満足そうに頷いた。
「やっぱり…!宮原さん、今日から知り合いの子が手伝いに来てくれるって言って、ずっと落ち着かなかったんですよーあんな宮原さんはじめて見ました」
「碧…デザート頼もうぜ」
見かねた羽柴さんが、話をそらしてくれ、私はお手洗いにと席を立った。
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