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「宮原さん、ちょっと役所に行きたいんでお昼延長してもらって良いですか?」 少人数の事務所なだけあって、仕事さえこなせば、お昼休みはあってないようなくらい好きなときにとることが出来た。 「え、ああ…うん、いいよ。ところで里奈ちゃんこのカウンターどうかなぁ…見積もりかなり高く出ちゃうんだけど、チョコレートにはぴったりだと思わない?」 いいよと言っときながら、宮原さんはカタログを私に差し出す。 とりあえず、差し出されたカタログに視線を落とすと、思わず言葉がついて出た。 「あ、素敵」 チョコレート色のキッチンカウンター。 使い勝手も良さそうだ。 紀ちゃんが立ってるイメージがすぐにわいてくる。 「うちの店に欲しいですね」 呟いた言葉に相槌がなかったので、顔を上げると、宮原さんが笑った。 「でしょう?でもこれだと、予算オーバーかもしれないなぁ…とりあえずこれで見積もりだしてもらえる?」
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