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「嘘ついてどうするのよ。リフォーム自体、前々から考えてたのよ! この店、買ったときのままでけっこうガタきてるし、買ったときはリフォームなんて余裕無かったけど、おかげさまで、余裕も出来たことだしさ」 タバコの煙を吐き出して、早口にそう言った紀ちゃんの言葉は、何故だか一層白々しく、とってつけた理由のようにしか聞こえなかった。 「それに、ナイスタイミングでみんな居なくなるから」 私は、いなくなんてならないよ。 側にいることすら、許してはくれないくせに。 何度も 何度も そう言って 言い続けて いつか紀ちゃんが 安心して、側に居れたらそれで良いと思ってたのに。 心が 折れてしまいそうだ。
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