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第一… 「どうして…西山さんと…?」 一番引っかかっていた名前を、私は尋ねた。 「一応、私の主治医だし、まあ腐れ縁で色々気を使うこともないし、独りよりは心強いでしょ?」 「だったら私が…!」 「あんたは仕事があるでしょ」 「それは…新しい人を見つける今月いっぱいまでって…」 「じゃあ辞めて、仮に付いてきたとしてどうするの?帰ってきてからの生活費は?って言うか、あんた海外行ける程貯金あるわけ?」 言葉が出ない。 「それに、つれてなんか行けないわ。一緒になんて行ったら、手術前日に、里奈を抱かない自信なんて無いもの」 抱いてくれたら良いじゃない。 今すぐ、抱きしめて、キスをして、愛し合えば、それで良いじゃない。 でも、言葉には、出来なかった。 何か言うよりも先に、私が店を飛び出したから。
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