18

10/14
前へ
/317ページ
次へ
「ごめんね…こんな夜中に…」 時計は午前二時を回っていて、純ちゃんがいれてくれたココアを飲みながら、私の足に絆創膏を叩きつける純ちゃんに謝った。 「時間は別に良いけど、この怪我は何なのよ…妊婦をあんまり驚かせないでよねぇ」 「…ごめんなさい…」 情けなくて、私はうなだれるようにソファーにもたれかかる。 「…それ飲んだら、今日はもう寝よう。その様子じゃ話なんてできないだろうし、明日ゆっくり聞いてあげるからさ」 こくりと頷くと、純ちゃんは私の隣に腰掛けてよしよしと頭をなでてくれた。 紀ちゃんの言葉が頭をよぎる。 見返りなんて求めない母性愛。
/317ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9817人が本棚に入れています
本棚に追加