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「ごめんね…こんな夜中に…」
時計は午前二時を回っていて、純ちゃんがいれてくれたココアを飲みながら、私の足に絆創膏を叩きつける純ちゃんに謝った。
「時間は別に良いけど、この怪我は何なのよ…妊婦をあんまり驚かせないでよねぇ」
「…ごめんなさい…」
情けなくて、私はうなだれるようにソファーにもたれかかる。
「…それ飲んだら、今日はもう寝よう。その様子じゃ話なんてできないだろうし、明日ゆっくり聞いてあげるからさ」
こくりと頷くと、純ちゃんは私の隣に腰掛けてよしよしと頭をなでてくれた。
紀ちゃんの言葉が頭をよぎる。
見返りなんて求めない母性愛。
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