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「あんたは少し真面目すぎるのよ。世の中ね、あんたが考えてるより、単純にできてるもんだよ。じゃあ、おやすみ」
呼吸が、楽になった気がした。
こんがらがって、ほどけなくなった結び目なんていっそ断ち切ってしまえばいい。
新しい糸を、紡いでいけばいいんだ。
家族とか、恋人とか、形にこだわる必要なんて無い。
紀ちゃんがいるから、私がいる。
それだけで良かったのに。
ユウキ君の言葉に流されて、私は色々見失ってしまっていたみたいだ。
純ちゃんが敷いてくれた布団の中で、私は紀ちゃんの夢を見る。
たとえ、隣にいるのが私じゃなくても、幸せになってほしい人。
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