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携帯の着信で目を覚ますと、純ちゃんの娘の蓮ちゃんが私をのぞき込んでいた。
純ちゃんが結んであげただろうツインテールの先が、鼻先に当たってくすぐったい。
「りなねぇたん頭痛いの?電話うるさいの?」
「ううん?大丈夫だよ」
私が起きあがって、枕元にあった携帯を手にとった瞬間、着信音はぷつりと切れた。
見知らぬ番号に、一瞬眉を潜めると
「痛いの顔してるよ」
蓮ちゃんが、更に心配そうに私を覗き込んだ。
子供はよく見てるんだなぁと感心しつつ、頭をなでてあげると、蓮ちゃんは照れたように笑って、居間に走っていった。
ねぇたん起きたよー
あれはねぇたんじゃないわ、おばちゃんでいいのよ
おばちゃん起きたよー
なんてやり取りを聞き流し、携帯を開いた。
紀ちゃんからでは、無さそうだ。
かけ直そうかと躊躇った時、再び携帯が鳴った。
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