9817人が本棚に入れています
本棚に追加
見知らぬ番号の相手。
なんとなくの予感は的中した。
電話から聞こえてきた声は、西山さんだった。
｢突然ごめんなさい…でも、里奈さんと一度ゆっくりはなしがしたくて｣
彼女が、紀ちゃんと連絡を取ったのはいつだろう。
ぼんやり、そんな事を考えた。
私が、紀ちゃんと一緒に居ないことが分かってるような口振り。
直接連絡をとるのが気まずい紀ちゃんが、西山さんに頼んだとかじゃ、ないのかな。
真夜中に飛び出したってのに、紀ちゃんからは、着信はおろか、メールさえ無かったから。
飛び出しておいて心配してほしいなんて、図々しい話だけど。
｢分かりました…今日の夜なら…｣
西山さんと、あう約束をして、私は電話を切った。
｢里奈おばちゃん、ママがね、ご飯にしましょうだって｣
見計らったかのようなタイミングで、蓮ちゃんがドアから顔を出した。
最初のコメントを投稿しよう！