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「湯河原でよかったの?」 「うん、湯河原がよかったの」 目的の温泉地は湯河原。 他愛もない話を取り留めもなくしながら、目的地へと車を走らせた。 二人でいるときは、決して口数が多くない紀之も今日は饒舌だった。 まるで、沈黙を埋めているようで、私は少しだけ寂しくなった。 きっとこれが 私たち二人の、最後の旅行になる。
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