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あの日、西山さんとわかれて、私は真っ直ぐ紀ちゃんのマンションへ向かった。
「おかえり」
何事もなかったかのように紀ちゃんは笑顔で迎え入れてくれた。
西山さんの言葉が浮かんで消えた。
紀之を理解出来るのはー…。
理解は…きっと私だってできるだろう。
でも、あの時、鎌倉のお墓の前で不安を吐露した紀ちゃんは、現れることはこの先ないだろう。
それじゃ、側にいることは、紀ちゃんの負担になるだけだ。
「旅行に行きたい」
言い出したのは、私。
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