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頬にふれた紀之の手は温かくて。 あのころのままで。 私はその手を握りしめて立ち上がった。 「うん、行こう」 そのまま手をつないで、紀之と並んで歩いた。 しっかり握りかえしてくれる紀之の手は久しぶりで、涙がでそうになった。 「まずは温泉饅頭だな」 久々に、紀之の笑顔を見た気がする。
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