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温泉を堪能して二人で旅館のお揃いの浴衣を着て並んで歩いた。 当たり前のことが一つ一つ新鮮で嬉しくて涙が出そうだ。 「ちょうどご飯だなー」 「お腹すいたね」 「は?あんなに食べたのに?」 「餡蜜と饅頭3つくらいじゃん…」 「いや、あと土産にするって言ったクッキー車ん中で摘んでたろ」 「う…温泉で消費した…もん…」 「まぁ、昔から細いのによく食べてたよな」 「いやー、でも年のせいか最近お腹周りが…」 「どれ」 紀之の手が、私のお腹に伸びてきた。 「全然平気じゃん」 顔が赤いのは、温泉で少しのぼせたのかもしれない。
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