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散歩、と聞いてジーンズにパーカーに上着と言うラフな格好に着替えて外にでると、紀ちゃんがジャージにサンバイザーという姿で立ったままストレッチをしていた。
「里奈ってばウォーキングをなめてるでしょう」
…散歩って言ったくせに。
30分も歩くと、疲れてくたくたになってしまった。
紀ちゃんに言われたとおり、背筋を伸ばして、胸を張って歩幅を大きく腕を大きく振りながら歩く。
公園についた頃には、私は汗だくになっていた。
「まだ半分だけど、大丈夫?」
紀ちゃんが呆れてため息をついた。
「知らなかった…歩くって、すごいエネルギー使うんだね」
私は紀ちゃんに差し出されたスポーツドリンクを喉に勢いよく流し込んだ。
「水分はとりすぎても疲労のもとよ」
はい、と言って私は飲み干しそうだったスポーツドリンクを紀ちゃんに返した。
疲れてへとへとのはずなのに、何故か心は軽かった。
体の疲れが心地良い。
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