3

4/14

9819人が本棚に入れています
本棚に追加
/317ページ
散歩、と聞いてジーンズにパーカーに上着と言うラフな格好に着替えて外にでると、紀ちゃんがジャージにサンバイザーという姿で立ったままストレッチをしていた。 「里奈ってばウォーキングをなめてるでしょう」 …散歩って言ったくせに。 30分も歩くと、疲れてくたくたになってしまった。 紀ちゃんに言われたとおり、背筋を伸ばして、胸を張って歩幅を大きく腕を大きく振りながら歩く。 公園についた頃には、私は汗だくになっていた。 「まだ半分だけど、大丈夫?」 紀ちゃんが呆れてため息をついた。 「知らなかった…歩くって、すごいエネルギー使うんだね」 私は紀ちゃんに差し出されたスポーツドリンクを喉に勢いよく流し込んだ。 「水分はとりすぎても疲労のもとよ」 はい、と言って私は飲み干しそうだったスポーツドリンクを紀ちゃんに返した。 疲れてへとへとのはずなのに、何故か心は軽かった。 体の疲れが心地良い。
/317ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9819人が本棚に入れています
本棚に追加