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紀ちゃんは、小さくため息をついて続けた。 「結局どっちつかずで中途半端なアタシが悪いんだけどね、ただただ怖かった。でも里奈を誰にも渡したくない。まるで子供よ」 紀ちゃんは、思い出したかのように、手に持っていた紙袋を覗き込んだ。 ゆっくり、袋から綺麗に包装された箱を取り出す。 「さんざん悪足掻きして、里奈が自分から放れてくれたとき、最低だけど少しだけほっとしたわ」 心臓が、ずきんと痛んだ。 「でも、そんなの本当に一瞬」 紀ちゃんは、話を続けながら、手に持っている箱の包装紙をゆっくりとはがしはじめた。
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