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返事よりも先に、紀ちゃんに抱きついた。
チョコレートが散らばってしまったけれど、そんなの気にしない。
「紀ちゃん…!大好き…」
しばらく、驚いていた紀ちゃんが優しく、私の背中に手を回す。
こんなに簡単なことだったのに。
温もりは、こんなにそばに、あったのに。
「アタシも…里奈が好きよ」
チョコレートよりずっと甘い囁き。
本物の紀ちゃんの香りに包まれる。
紀ちゃん。
私
私ね…
「私、今世界一幸せだよ」
紀ちゃんとした約束通り。
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