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願ってもない言葉だった。
夜のお仕事は未経験だけれど、紀ちゃんと一緒に働くことに不安なんて全くない。
綺麗に着飾った紀ちゃんを間近で見られるんだったら、私どんな仕事でもできそうだった。
それ以上に、紀ちゃんの帰りを、ひとりぼっちで待たなくてもいい。
そう思ったら、すごく心が軽くなった。
恋人でもない、友人とも違う、家族と言うにも距離がある紀ちゃんに、私はすっかり甘えていた。
自覚はあった。
何度か別れを経験して、学んでいたはずなのに、何故だか紀ちゃんとは、離れる事なんて、想像すらしなかった。
だから、私は紀ちゃんの言葉に大きく頷いた。
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