3

10/14

9819人が本棚に入れています
本棚に追加
/317ページ
願ってもない言葉だった。 夜のお仕事は未経験だけれど、紀ちゃんと一緒に働くことに不安なんて全くない。 綺麗に着飾った紀ちゃんを間近で見られるんだったら、私どんな仕事でもできそうだった。 それ以上に、紀ちゃんの帰りを、ひとりぼっちで待たなくてもいい。 そう思ったら、すごく心が軽くなった。 恋人でもない、友人とも違う、家族と言うにも距離がある紀ちゃんに、私はすっかり甘えていた。 自覚はあった。 何度か別れを経験して、学んでいたはずなのに、何故だか紀ちゃんとは、離れる事なんて、想像すらしなかった。 だから、私は紀ちゃんの言葉に大きく頷いた。
/317ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9819人が本棚に入れています
本棚に追加