3

11/14

9819人が本棚に入れています
本棚に追加
/317ページ
「とは言っても、うちはオカマバーですから、雑用よ?大丈夫?」 「うん、何でもする!嬉しい!ありがと紀之!」 私は思わず紀ちゃんに抱きついた。 練り香水のにおいに包まれて、泣きたいくらい幸せだと思った。 「紀之は…やめて」 紀ちゃんが、すねたようにつぶやいた。 シェアを始めた日に、紀ちゃんとした約束。 「これからは、紀子ってよぶこと」 紀ちゃんとの生活のすべてにしっくりきていた私が、唯一違和感を感じた名前。 紀之の、妹の名前だったから。
/317ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9819人が本棚に入れています
本棚に追加