9819人が本棚に入れています
本棚に追加
/317ページ
「とは言っても、うちはオカマバーですから、雑用よ?大丈夫?」
「うん、何でもする!嬉しい!ありがと紀之!」
私は思わず紀ちゃんに抱きついた。
練り香水のにおいに包まれて、泣きたいくらい幸せだと思った。
「紀之は…やめて」
紀ちゃんが、すねたようにつぶやいた。
シェアを始めた日に、紀ちゃんとした約束。
「これからは、紀子ってよぶこと」
紀ちゃんとの生活のすべてにしっくりきていた私が、唯一違和感を感じた名前。
紀之の、妹の名前だったから。
最初のコメントを投稿しよう!