9819人が本棚に入れています
本棚に追加
/317ページ
紀子ちゃんは、とても小さくて、細くて、綺麗だった。
静かに笑うその顔は、紀之にもよく似ていて、2人はとても仲の良い兄弟だった。
紀之が高校にはいってすぐ、両親が事故でなくなって、紀之と紀子ちゃんは、祖母の家で育ったらしい。
私が紀之と出会った頃には、その祖母も他界してしまっていて、紀子ちゃんは両親や祖母の遺産で高校に入ることができたが、紀之はバイトを掛け持ちして二人きりの家計を支えていた。
3人で一緒にラーメンを食べに行った事があった。
幸せそうにラーメンをすする紀子ちゃんが可愛らしくて微笑ましかった。
最初のコメントを投稿しよう!