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トシがふーっとため息をついた。 そして、なんだかひどく安心したように小さく微笑んだ。 「良かった、アメリカ行く前に聞けて」 カラン、と再びロックグラスが音を立て、重なり合っていた氷がすべて沈没した。 その様子を、私はただたまってみていた。 金色の夜の海みたいな、キラキラしていて穏やかで、優しい、紀ちゃんみたいな色のお酒。 「ありがとう」 トシはそれだけ言って、一気にグラスに入ったウイスキーを飲み干して立ち上がった。
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