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お酒で、記憶がとんだ事なんてはじめてで、起きた瞬間から胸にあった不安が引いていくのを感じた。
2人で担いで運んでくれたのだろう。
カズ君も紀ちゃんも腕まくりをしていた。
私はそっと自分の部屋にもどって、私のベッドで寝ている紀ちゃんを起こそうか考えていると、紀ちゃんがむくりと起きあがった。
「まだ暗いじゃない…もう少し寝ましょ」
若干たどたどしくろれつが回らない口調でそう言った後、紀ちゃんが私を勢いよく引っ張った。
ベッドに倒れ込んだ私に腕枕をして、紀ちゃんは再び規則正しい寝息を立て始めた。
「紀ちゃん…寝ぼけてる?」
返事はなく、勢いよく倒れたことによって激しい頭痛に絶えるように丸くなると、紀ちゃんが私を抱き寄せた。
「ちょっと…紀ちゃ…」
「里奈…」
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