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「ほら、これ飲んで、なんか食べた方がいいわよ。一応お粥作ったけど、リビングで一緒に食べれる?昨日散々吐いたから、胃の中空っぽだと余計気持ち悪いでしょ」
紀ちゃんから水と胃薬を受け取りながら、聞き慣れない言葉を繰り返した。
「散々…吐いた…?」
にんまり笑った紀ちゃんが、私を指して言った。
「久々に良いもん拝ませてもらったわ」
自分がパジャマに着替えていることに、この時初めて気がついた。
きっと顔は赤くなってる。
今は紀ちゃんは女だし、昔だって見せたことくらいあるけれど、何とも言えない恥ずかしさがこみ上げてきた。
「あとカズ君のズボン、洗っておいたからご飯の間に乾燥機かけとけば大丈夫でしょ」
「カズ君の…ズボン…?」
再び聞き返すことしか出来ない私に、紀ちゃんが真顔で言った。
「覚えてないの?」
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