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朝、2人の寝顔を見て安心したのが嘘のように不安になった。
キッチンで鼻歌を歌いながら洗い物を始めた紀ちゃんの横で、私は勇気を振り絞って小さくつぶやいた。
「私…何しちゃったんでしょうか…」
紀ちゃんは一瞬手を止めて、考えた後吹き出した。
「何度思い出しても傑作だわ」
紀ちゃんはそれだけ言って、再び洗い物を始めた。
私はただただ青くなることしかできずに立ち尽くしていると、洗い物を終えた紀ちゃんが私を振り返った。
「大丈夫よ、ちょっと無理やりお酒のませてただけよぉ…ぶっ…ふふ…」
ちょっと無理やりって…。
「人間、覚えてない方が幸せなこともあるしね」
紀ちゃんの言葉に、私はもう何も聞くまいと心に誓った。
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