9818人が本棚に入れています
本棚に追加
/317ページ
「連絡とりなよ、あるかもよ元サヤ、私あんた達2人好きだったよ」
そう言って、純ちゃん深く座り直し、タバコに火をつけると、ゆっくりと息を吐いた。
「まさか、そんな事は無いだろうけど…連絡かぁ」
多分、この時私は弱っていて。
紀之と付き合っていた楽しかった思い出ばかりが蘇っていた。
紀之と会えば、浮上出来るんじゃないかと淡い期待をして。
純ちゃんの吐き出した紫煙をぼんやり眺めながら、私は小さくつぶやいた。
「してみようかな」
紀之もヘビースモーカーで、部屋が煙草臭くなるからと言って、ベランダに出て、煙草を吸っていた。
ゆらゆら登っていく紫煙の向こうで、純ちゃんが大きく頷いていた。
最初のコメントを投稿しよう!