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「ママ、宮原さんがいらしたわよー!」 すっかり暇になってしまったので、何人かは早上がりをしてしまい店にいたのはアゲハさんと紀ちゃんと私とカズ君だけだった。 紀ちゃんは裏で既に今日の売り上げの計算をしていた。 「カズ君、あの人も常連さん?」 「うん、すげー久々だけどかなり太い客だよ」 太い客。 見た感じ細身な宮原と呼ばれた男性は、店にとっての上客らしい。 紀ちゃんがカウンター内に飛び出してくる。 「宮原さん!」 きらきらまぶしいその笑顔を見て、私の胸がまたずしりと重くなる。 「ママ、久しぶり。相変わらず美人で安心したよ」 そう言って、宮原さんは迷わずカウンター前に腰掛けた。
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