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ランチタイムのカフェは、ほぼ満席で純ちゃんとランチを頼んでから既に30分はたったんじゃないかと思われた。 仕方なく目の前の冷めたコーヒーを飲み干すのを見計らって、純ちゃんが身を乗り出すように訪ねた。 「じゃあ紀之とよりを戻したってこと?」 「違うよ、ただの同居。居候させてもらってるだけ」 紀之が女性になっていることを伏せたまま、私は純ちゃんにありのまま話した。 紀之の家に引っ越して、紀之が経営しているバーで働いていること。 トシときちんと別れ話がで来たこと。 別に後ろめたいと言うよりは、紀之が女性になったなんて聞いたら純ちゃんは殴り込みに行きかねないと思ったから。 「そっかぁ色々あったみたいだけど、あんたの元気な顔見て安心したわ」 にっこり笑った純ちゃんにつられて私も笑った。 同時にガタンといすが揺れて、背中に何かが当たった。 振り返る前に、カシャンとカップの割れる音がした。 「あっすみません!」
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