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その夜、本当にお店に宮原さんがやってきた。
「なんか珍しい酒入った?」
カウンター越に、そう聞かれて、私は首を傾げる。
「ごめんなさい、お酒は詳しくなくて…マッカランでしたっけ…あれは美味しかったです」
「じゃあそれストレートでお水ももらえる?」
ニコニコ笑いながら、宮原さんは煙草に火をつけた。
宮原さんは、担当をつけずにカウンターで一人で飲むのが好きらしい。
それでも、時々紀ちゃんやホールのみんな用にボトルを入れてくれたりしている。
「お水って、チェイサですよね」
「うん、氷なしでお願いします」
そう言って宮原さんは目だけでにっこりと笑った。
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