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入り口には、カズ君と、小柄な男の子が立っていた。 直感的に、ユウキ君だと思った。 「飲んでいってもいいかな」 カズ君が、お店を見渡してから言った。 「ユウキ!来るなら言ってくれたらいいのに大歓迎よぉ」 紀ちゃんの声にフロアがざわめきたって、ユウキ君は困ったように頭をかいていた。 小柄で色白で、中性的な顔立ちから言って、きっとここのアイドル的存在だったんだろう。 「ひどいママ、俺は?」 「あんたは自分で酒作りなさいよ」 紀ちゃんの態度の違いに、常連さんたちが笑っていた。 どうやら常連さんにもユウキ君は馴染みがあるらしい。
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