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「里奈さん…ですよね、カズが迷惑かけたみたいですみません」
カウンターに、カズ君と並んで座ったユウキ君が、すまなそうに頭を下げた。
「とんでもない」
迷惑かけたみたのは私の方だと言い掛けてやめておいた。
「カズから色々聞いてます。僕のわがままで急にここやめちゃったから安心しました」
笑顔はまだあどけなくて、少年にも少女にも見えた。
もしかしたらまだ10代なのかもしれない。
「私こそ、無職だったから助かったよ」
つられて私も笑顔になる。
隣で、カズ君がビール2つね、と口を挟んできたので、何となく聞いてみることにした。
「ユウキ君って…何歳?」
「27です」
ビアグラスが掌から滑り落ちそうになって、慌ててつかみなおしてから私はカズ君を振り返った。
「詐欺だろ?童顔だよなー」
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