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「誰が二股してるって?」 紀ちゃんの声にあわてて振り返ると、もうすっかり出勤準備を終えた紀ちゃんが立っていた。 「びっくりしたなぁーノックくらいしようよ」 「何度もしました」 「あれ…ごめん」 呆れ顔の紀ちゃんが、私に小さな包みを投げた。 それをキャッチするのを見届けて、紀ちゃんは背を向ける。 「今日ビアサーバーの点検に立ちあうから先に行くわね~誕生日おめでとう」 それだけ言うと、ひらひらてをふって紀ちゃんは出て行ってしまった。 ……誕生日? 誰が…?
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