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カレンダーに目をやると、今日は3月14日。 ホワイトデーと小さく印刷されたその下に、紀ちゃんの字で happy birthday と書かれていた。 私の、26歳の、誕生日。 いつの間に書いたんだろう。 自分でもすっかり忘れていたのに、覚えててくれたことに、胸が熱くなった。 包みを開けると、中から出てきたのは車の鍵とバースデーカード。 書かれているのは車のナンバー。 私は立ち上がると真っ直ぐにマンションの駐車場に向かった。 心臓がドキドキする。 紀ちゃんの高級愛車はマニュアル車で オートマ限定の免許しか持っていない私は運転できない。 駐車場には、紀ちゃんの車の隣に、パールピンクのコンパクトカー が停まっていた。 ナンバーを確かめると、バースデーカードに書かれていたものと同じ。 胸がいっぱいで、どうしたらいいのかわからなかった。 ただ、紀ちゃんに会いたいと思った。 出勤時間まではまだ時間があったけれど、私はすぐに準備をして家を出る。 たった今わかれたばかりの紀ちゃんに無性に会いたかった。
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